ノスタルジア~喫茶店を訪ねて~
 『田村に、好きな人っているのか?』
 『ぼくも、好きな人がいるんだ。生徒の中に』
ぼくは、後悔している。なぜ、あの時彼女に、聞いてしまったのだろうか。
なぜ、言ってしまったのだろうか。
 でも本当に後悔しているのは、彼女に好きだと伝えられなかったことだ。
 彼女に、軽蔑されようが、先生と呼ばれなくなってもいいから、好きだと伝えればよかったのだ。
たとえ、彼女が私を好いていなくても。
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