ノスタルジア~喫茶店を訪ねて~
 森林公園の、蝉がけたたましく鳴いていた。大合唱が盛り従に響き渡ると、夏が来たと実感する。
 帽子を被った小学生の軍団が、横切る。マラソンをする人、自転車に乗る人、暑い公園に様々な人生を送る人間が集まっていた。
 太陽は、そんな人間を高いところから目を光らせて、熱いまなざしを送ってきた。
 アスファルトの地面は、フライパンのように熱くなっていく。
ペットボトルの水一滴が、地面に落ちると、たちまち消えていく。
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