ノスタルジア~喫茶店を訪ねて~
 蝉の声が、少し遠くなる。森を抜けると、広い場所に出る。灰色の砂のグランドは、太陽の光を反射した。
 大きく、黒い校門が、目の前に現れる。間から見える、古いコンクリートの建物は、昔と変わらずそこに、建っていた。
 懐かしいさと、切ない複雑な感情が、芽生えてくる。
私は、かつてこの場所で、3年の高校生活を送ってきた。
 嬉しいこと、楽しいこともあった。けれども悲しくて切ないこともあった。
アルバムをめくるように、思い出が頭の中を駆け巡る。
 遠くで、蝉の鳴く声が聞こえた。
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