ノスタルジア～喫茶店を訪ねて～

③その後の物語

「今日は残業で遅くなる。夕飯は適当に取っておいて」大学の講義が終わり、ホームで電車を待っていると、簡素でそっけないメールが送られてきた。
　私は了解と、メールを打ち込み返信した。
電車待ちの人々が、後ろから順番に並んでいく。携帯電話で電話する大学生、疲れたようにうなだれたサラリーマン、ホームで遊ぶ小学生、電車の遅れにいらつく女性。ざわめきと人々の息遣いがホームに溢れ、喧騒としていた。
　電車が予定より少し遅れてホームにつくと、人々はぞろぞろと端に寄り、電車に乗る。私は深呼吸し電車に乗り込んだ。
夕方５時ごろになると、会社終わりのサラリーマンや、大学生が多くなり、車内は押し寿司のようにぎゅうぎゅうに詰め込まれる。
空いていたつり革にかろうじてつかまると、ふと向かいの窓に、目が吸い寄せられた。