恋しくて、
女の子はなんとも、名残惜しそうに男の傍を離れようとはしなかったが、男の説得により、なくなく掴んだ手を放した。

くるみ「バイバイ…。」



男「バイバイ。」


振り返る男の顔は、優しい顔からすぐにきつい顔になった。

間違いなく、この人は犯罪者だ。


俺は近づいてくる男に怪しまれないように、チャラく携帯をいじった。


ピリリリ… ピリリ

友山「うわっ!」

ふいに着信音がなった。

『班長 滝中』

前進の血の気が引いた。

あー、やっべ。きっとカンカンなんだろう。このまま出るべきか、それとも思いきって無視するか…。


俺の出した決断は…。


ピッ

友山「はい、もしもし?」

滝中『何が『もしもし?』だコラ!』

受話器の奥では班長が怒鳴り、隣では男が近づいてくる。

友山「そ、そんなに怒んなって。今帰るからよ。」

滝中『あ゙ぁ?!なんだ、その態度は?』

やっぱ、そうなるよな…。

ホント堅いんだから。



滝中「ったく!」

横橋「どうしたよ?」

滝中「口が悪すぎでね。」

横橋「お前がとやかく言える立場かよ。代われ。」

滝中「え?」
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