恋しくて、

4219

それからどれくらいの時間が過ぎたのだろう…。

俺の腹の虫も、何回癇癪を起こせばいいのか。


横橋「コーヒー牛乳なら、余ってんだがなぁ。」


横さんのこのぼやきもいつしか聞こえなくなった。



柴田「動いたぞ。」

一瞬気の遠くなっていた俺の意識に、柴田さんの声が呼び覚ます。

黒い連中がうようよとし、ビルの一階に設けられたシャターが開く。

これもまた黒い車だ。

友山「黒色が悪とでも…。」

横橋「ありゃあ、ドラマの観すぎだなぁ。」


そんな二人のぼやきを横で聞いていた柴田さんは、こう言った。

柴田「班長が二人をペアにした理由が、なんとなくわかりましたよ…。」

意味はまったくわからなかった。

横橋「友山。ナンバープレートを控えろ。滝中に報告だ。」

友山「…の な の『4219』。」

…。最悪な語呂だな。

わざわざ申請したのかと思うと、奴らの気がしれない。

4219。シ ニ イ ク。

この車の行き先は、地獄ってことだ。

俺たちもまた、地獄に案内されるらしい…。
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