恋しくて、
なんでだろう?俺は走っていた。

あれだけ動くなと言われたのに。

何も期待されちゃいない、見張り要員なのに。


正義感?


きっとそんなキレイなものなんかじゃない。



見返したい?


そんな(笑)。いくら周りから馬鹿にされているからって、ホントの馬鹿じゃないんだ。



興味本位?


たしかに、この先どんなことが待っているのか気になる。でも、そんなんじゃない。


でも、


でも、なんか走りたかった。わかるか?この気持ち。

友山「ふぅ〜。追いついた。」

俺は物影に隠れながら、男を尾行することにした。

男はかなり背が高くガタイもいい。

まともにやり合ったら、まず勝ち目はないだろう。

署内の柔道でも似たような体型には、一度も勝った試しはない。


男は周りにメンチをきりながら、ズカズカと歩いていた。
< 6 / 16 >

この作品をシェア

pagetop