愛に服従!

「アンタさぁ、人にぶつかっといてガン飛ばすのはねぇだろ」


「…え?」


「まずは謝るのが妥当じゃね?」


「…っあ」



そうだ、わたしはこの人にぶつかったんだ、と思い出す



「そ、その…すみませんでした!…でもあの、丁度転びそうになってたんで…助かりました!ありがとうございました!






「っぷ、ぶつかっといてありがとうらございました、かよ…ククッ」


その男の人は心底面白そうにわたしを見て笑う


(…あたしなんか面白いこと言った?)


そう思いながらふとそのひとのスーツを見る
< 16 / 70 >

この作品をシェア

pagetop