愛に服従!
「コイツ、寅屋の跡取り息子だよ」
「……えええっ!?」
私が驚いて声を上げても早乙女さんは涼しい笑顔を向ける
「あははっそんなにビックリしなくても。
ウチは海斗と違って完全に世襲制だからね。
生まれてきた家がたまたまそうだったってだけだよ」
(『たまたま』って……
それにしても『black lily』の社長の息子の
『寅屋』の跡取り息子って…すごい組み合わせ…)
「海斗とは親父同士のつながりで小さい頃から仲よかったんだよな」
「おう。
お前がアブナイ道に進みそうになったときはどうなるかと思ったけどな。」
「あははっ、まぁ結局は真っ当な道歩んでるわけだから
その話はやめよ-ぜ。
あんまりこの子に悪いイメージ植えつけないでよ。
親友の奥さんに気に入られたいでしょ?」
「お、奥さんって!」
『ニセモノのです!』と言い返そうとすると
「お前なぁ……からかってるだろ。
偽装だって言ってんだろ?」
と水野さんが半分呆れたように言う