愛に服従!
「なんで驚くんだよ。夫婦なんだから帰る場所が同じなのは当然だろう」
水野さんが当たり前のように言う
「と、当然って!まだ全然、整理がついてないし…」
「整理?あぁ、たしかアンタ一人暮らしか。
まとめて明日にでもうちに持って来いよ。マンションは近いうち解約すればいい」
「や、その整理もありますが…!まだ心の整理とかが…っ」
そう言うと水野さんが露骨にイヤそうな顔をする
そしてグッと私に顔を近づけた
(ち、近い…!)
「いいか?契約を結んだ以上アンタに決定権はないの。
俺は亭主関白主義だからな」
(亭主関白主義っていうか…自分勝手なだけ…って、そういう問題じゃない!)
わたしは言い返そうとしたけど…
「返事!」
「は、はい!」
(あ…)
反射的に返事をしてしまった自分を悔やむ