葉桜の頃



「彼女、私と同じクラスなの。月守 楓さん。」



「初めまして。月守です。」



「大木 凱斗です。森下と同じなら、中国語コースか。俺は英米なんだ。よろしく。」



背の高い彼は私を見下ろすようにして微笑んだ。同じ年にしては、その口ぶりも雰囲気も落ち着いていて、大人っぽく感じる。



「あの、どうして葉桜の写真なんですか?普通はみんな桜の花を撮るものなのに。」



私は彼の作品を見た時から気になっていたことを尋ねてみた。
今はまだ学内の桜も散りはじめたばかりだし、実際、作品展に出品されている写真の中には満開の桜を写したものも何点かあった。





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