血魂の彼女[短編]
さっき電話が切れた奴が

血を流して俺の前に倒れている。

直球で言うと


“落ちてきた”ということだ。



急いで部屋へ戻る。

自宅電話に留守電が入っている。

何も信じることができない今。

聞くべきか、聞かないべきか。

でもあいつからかもしれない。

何度も何度も戸惑う。



ノイズならすぐに消す。

いたずらでも。

覚悟を決めて押してみる。

あいつの声だ。






“宇海ちゃんには気をつけろ”

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