血魂の彼女[短編]
そいつは大量の出血で亡くなった。

一体誰がスパナを落としたんだ?

手を滑らせただけ?

俺は頭を抱える。


_帰り道。

駅で宇海が手を振っている。

「…大丈夫だった?」

「ああ、大丈夫」

「怖いよね、あんなの落ちてきたら」

「宇海、そういえば何処でそのこと

知ったの?」

確か宇海はどこにもいなかった。

「人の叫び声が聞こえて、

どうしたの?って聞いたら

スパナがって…」

「そうなんだ、俺もビビったわ」

「大丈夫だよ、阿久津は私が

守ってあげる」

「俺が守るよ」

「ありがとう♪」
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