ウラ/オモテ
1限目の休み時間。

わたしは先生が言った
“コレ”の前に立っている

教室の扉の近くのロッカーの上に
どさっと置かれた山積みの資料。


重そうだなぁ…


その時、教室に
ゆったり入ってくる男子。


「あ、咲乃。
おはよう」

その男子は相変わらず
ぺたんこの鞄をぶらぶら持っている

「おはよ、上宮くん。」

「お、名前…」

寝坊したのか髪が
少し乱れている彼

「名前?」

「いや、名前
はじめて呼んでくれた。」

「そう…だっけ?」



「そういえば何してんの?」

「ああ…雑用係の仕事で」


「あれ?咲乃って雑用係?」

はい…恥ずかしながら…


「俺も雑用係。」

「っそうなの?」

「何か寝てたら勝手にされてた」

そうなんだっ…
あら偶然。
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