【短】笑顔のままで
バイト先の人間と飲んだ帰り。
ユラユラと心地よい電車の揺れが眠りを誘う。
右、左、それに前と後ろにも自分の身体が揺れているのがわかる。
ユラユラと、ぼんやりと、俺の意識は遠のいていく。
どのくらいの時間眠っていたのだろう。
一瞬、ガクンッと大きく揺さぶられたような感覚が身体中をはしり、目が覚めた。
朦朧としながらも窓の外を見ると、いつもとは違う景色が後ろへ流れていく。
「やべっ…」
降りる駅はとっくに過ぎていた。
近くにいたOLらしきグループがこっちを見てクスクスと笑う。
俺は平然を装い次の駅で降りた。