復讐ストーカーゲーム１

「信介。秋雄の一世一代の初舞台のようなものだ。彼女に余計なことを言うなよ」


親父は新聞越しに、目を合わせず呟いた。どいつもこいつも、秋雄だけが幸せならいいんだ。


「あぁ！　分かっているよ。ご馳走さん！」


――兄貴と比べらるのが一番腹が立つ。くそー！　


……憂さ晴らしに、ストーカーとやらをやってみるか？　午後までには時間もある。確かターゲットは新宿区――近いし好都合だよな？


そうとなれば、もう一度情報を確認し、頭に叩き込もう。


「お袋。午後4時くらいには帰えればいいよな？　ちょっと、それまで出かけてくるよ」


「分かったわ？　気をつけて、いってらっしゃいね。お母さんは今日一日仕込みをしているから、お留守番はバッチリよ」