復讐ストーカーゲーム1
「たまたま休み時間に入った喫茶店に、絵恋がいたんだ。

一目見た時からインスピレーションがビビッときたね。これは運命の出会いだとビンビンに感じまくった。

そこがメイド喫茶だと、後から知ったんだ。ほら、俺のイメージだとご主人様、いらしゃいませ~みたいなのが定番だと思っていたから」


それを聞いて愕然とした。モヤモヤとする、渦を巻く感情……


なぜ、俺は出会えなかった? 硬派のメイド喫茶なら、行き慣れていた場所なのに。


なぜだ! なぜだ! やっぱり世の中、不公平の塊だ。俺は心底誓う。神を信じない。


テーブルにあるワインボトルを掴み、注いでは飲み干した。


苛立ちをぶつける物がここには無かった。


いつもなら胃袋を満たして、晴らすのかも知れないが、そんな姿を絵恋に見せる訳にはいかない。
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