復讐ストーカーゲーム1
 チャンネル数は、一見分り辛く、持ち手の底に付いている。


小さなトランシーバーは衣服に留めれるように、クリップも付属。まるで量販店で良く見るMP3プレイヤーのようだった。


とりあえず、電池を入れてみる。


――簡単なもんだな。本当に、これであの声が聞けちゃうの? 


そう思うと緊張感と罪悪感、好奇心が混ざり合い、なんとも言えない気持ちになった。


――早く、設置しなきゃ。終わってしまう。


忍び足で、階段を下りる。ミシッ、ミシッと軋む木の階段に、少しだけ鼓動が早くなる。


――いいぞ。まだ色っぽい声が聞こえる。角っこに立てかけてっと……よし! これでOKだ!
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