復讐ストーカーゲーム1
 鰻をリュックに仕舞い、シューズの靴紐をきつく縛る。


張飛ってどんな奴なんだろう? スゲーワクワクする。


「いってきまーす!」


誰もいない住まいに、明るく声を掛け鍵を閉めた。自宅近くの駅前へと、足早軽く靴先を向ける。


行き交う人を縫うように歩き、秋葉原駅前に到着。途中、途中、拭きぬける風がいつもよりも冷たくなったような気がした。


平日だが駅前は相変わらず混んでいた。いかがわしそうなティッシュ配りの親父やメイド、家電量販店の店員の呼び込み。いつもと変わらない景色だった。


まだ時間もあるので電車やバスに乗る際に、カードをかざすだけで支払えるパスモを作り、上野へ向うことにした。


――メトロは高いから、やっぱ山手線だな。130円で行けるぜ。
< 427 / 887 >

この作品をシェア

pagetop