復讐ストーカーゲーム1
「やだぁ! そんなにジロジロ見ないで頂戴! 関羽様が汚れるじゃないのぉ。はい、これグラス。

後、その薔薇を貸して頂戴。花瓶に挿しておくわ。萎れたら可哀想よ」


そうだった。ずっと右手に握り締めていた。存在感があった一輪の薔薇がぐったりとしている。


「す、すみません。お願いします」


「最初の一杯は一緒に飲みましょうか? それからお料理を作りに行くわね」


日本酒が包まれていた包装紙を破り、ぽんっと蓋を開けた。芳しい米の匂いがプーンと香る。手に持つグラスに、透明の煌びやかな水が注がれた。


「桃園の誓いに乾杯!!!!」


「……乾杯」


桃園の誓いって、三国志の物語で生死を共にする宣言という意味だよな? 精――の方じゃないよな、まさかな。
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