復讐ストーカーゲーム1
 戸を開け、外に出ると板張りの廊下がミシミシッと音を立てる。トイレは真正面に見え近距離にあった。


顔は怖いんだよなぁ。張飛さん……。


用を足し、手を洗うと鏡に映り込む自分と眼が合った。


少しだけ頬が赤い。帰れるぐらいの酒の量にしないとな。


「うわああ! びっくりした! ど、どうしたんですか?」


トイレから部屋に戻ろうと外へ出ると、店番をしていたお父さんが静かに立っていた。


「そろそろ夕飯なので、こちらをお持ち下さい。プレゼント用のナポレオンとカツ丼です。

息子と、どうか仲良くしてやって下さい。あの子が友達を連れて来るなんて初めてなんです……嬉しくて、嬉しくて――うううっ」


お父さん、泣いてる?


「そのお盆を取りあえず持ちますね。あ、あのう、ブランデーありがとうございます。

な、泣かなくても……俺、困ります。心配しないで下さい。ちゃんと仲良くやりますから」
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