復讐ストーカーゲーム1
 親父とお袋の言葉につられ、後部座席の窓も開けた。


強い風を浴び、髪が乱れ、慌てて首を引っ込めたが、迫ってくる十字架がちゃんと見えた。


もうすぐだ。


これはなんとも言えない気持ち。非常にもやもやする。絵恋さんを渡したくはないが、紹介してくれるお友達も見てみたい。


これが男の身勝手というやつなんだろうか。


「社長、見えてきたゲス。駐車場はどこでゲスかねぇ?」


ザザーッと砂を蹴るタイヤの音が鳴り、走行が緩やかになった。


門をくぐると、砂嵐でもくもくと煙が立った。ここから園までまだ少しの距離があるようだった。
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