復讐ストーカーゲーム1
 踵を返し、静かで誰もいなさそうな方向をわざと選んだ。俯きながら、みんなに背中を見せる。


丁寧に長さが揃えられ、刈られているグリーンの芝生。時たま、丸い小石を発見しては蹴り飛ばした。


――信子さん。消えてしまったのが嘘みたいだ。


俺にも、あれだけ一途に愛してくれる人がいつか現れるのかな……?


おや? あれは何だろう? 来る時には気づかなかったけど。


当てもなくフラフラと歩いていると、いつの間にか田園が広がり、そこに古びたちっぽけな、馬小屋のような建物を発見した。


――園の子供達の遊び道具入れかなぁ? 小学校にも、昔あんなのがあったよな。


――ガタガタガタッ
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