復讐ストーカーゲーム1
 椿さんがさっきまで使用していた、目の前のエアロに跨るイケメン。横顔しか見えなかったが、それだけでも十分に確かめられた。


茶髪の前髪と、もみ上げ付近を長く垂らし、鼻筋が通っている色白の横顔。


――なんなんだ! こいつら! 無性に腹が立つー!


「不知火じゃーん、おひさ! そうだな。引退してからは、ここで数回しか会っていなかったもんなぁ。俺が抜けたからお前、ランクが上がったんじゃないの?」


「全然駄目、上がっても1ランク。今は5位だよ。まさかさー紅葉がホストクラブを辞めるとは思わなかったよ。2位だったし」


目の前の不知火という人物が軽快にペダルを漕ぎ始めた。


――紅葉は元ホストだったのか。


「だってもう28だぜ? そろそろ幕引きでしょ。1位も取れなかったしさ。それに後から入ってくる若い奴らに、抜かれる恐怖からも逃げだしたかった。

……お前の勧めてくれた遊びの方が、俺には性に合っているよ」
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