復讐ストーカーゲーム１

「ここ、雰囲気がとても良いでしょう……この前見つけたんだ」


背中を向けたまま、ひろみは俯きながら呟いた。


「上品なお前にぴったりだけどさ、折角お洒落したんだし、もう行こう？」


お婆さんも腰を曲げながら、茂みに隠れ、紅葉を見つめている。だが前屈みになるたびにガサガサと葉を揺らし、こちらから見れば音が気になった。


「ねぇ、お婆さんに注意した方が良いかしら……？」


「駄目ですよ、共倒れになっちゃう」


俺たちはヒソヒソ話を止め、事の成り行きを見守っていた。その時だった。木の葉が激しく音を立てたのは。


――お婆さん！