復讐ストーカーゲーム1
 草むらから飛び出したお婆さんは紅葉を睨み付けている。眼光を鋭く、獲物を見つけ出した表情だった。


「お前が五十嵐紅葉じゃな!」


ひろみは驚き振り返った。紅葉もその声に愕然とし、絶句している。


「……お、お婆さん。確かにそうだけど、それがなんだっていうの? どこかで会ったっけ?」


「問答無用!!!!」


お婆さんは背中が曲がり小柄ながらも、ナイフを振りかざし紅葉に飛び掛った。


――あ、危ない!!!!


「ひ、ひろみ!」


紅葉は腰を抜かし、地面に両手を付き、体を仰け反らせていた。ひろみが前に出て紅葉を庇い、おばあさんのナイフを両手で差し止めている。
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