復讐ストーカーゲーム1
「大丈夫だよ。心音がまだ動いてるから……こっちにおいで」


冷静に、淡々と語る関羽に苛立ちを覚えた。


「お前が両腕を縛るから、兄貴が撃たれたんだろうよ!」


関羽の気配、秋雄の息づかい……ここだ。


秋雄を膝に乗せ、両腕のロープを解いた。


「……あの声はウイルスキラーだな。こんなことになるとは思わなかったよ。

――でもこの人の調査はするよ。そこは俺が譲れないセオリーなんだ。

そろそろ消えるよ。面倒なのは嫌いだ」


「あっーん!?」


関羽が去ろうとする背中に、威嚇せずには要られなかった。


――兄貴が死んだら……俺は――。
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