復讐ストーカーゲーム1
 刃先を張飛の腰に突きつけた。


いつ突然、誰がこの公園に現れるか分らない。腰なら死角。咄嗟に隠すのも、刺すのも、この位置が一番手っ取り早かった。


目は涙で熱いが、思考だけは復讐で渦き、冷静だった。


「……いいわ。ぼけた親父がちょっとこの先心配だけど、仕方ないわね――私はそれだけのことをしたんですもの」


張飛の親父。


――息子とどうか仲良くしてやって下さい。あの子が友達を連れて来るなんて初めてなんです。


そう言い、涙をたくさん零していた。その言葉を思い出し、心が砕けそうにまた痛くなった。


――親父さん……俺だって約束を守りたいよ。本当は俺だって、こんな事はしたくないんだよ。でも兄貴は――。
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