復讐ストーカーゲーム1
 ――俺の命が無くなる前に、罪を償って貰わなくては……。


そう思うのに足取りが重い。


時たま浮かぶ絵恋の表情がそうさせた。身内を失う悲しさを知ってしまった今、更に辛い思いをさせてしまう未来図が浮かぶ。


憎くて仕方ない人間を仕留めたいのに、また涙が流れそうになった。


笑顔で会話をする女子大学生たちとすれ違い、歩みの軽い彼女たちと、思わず入れ替わりたくなった。


――絵恋さんの母親は、今何を思うんだろう。達成された喜びで、幸福感で一杯なんだろうか? そんなくだらない幸せは、早くぶち壊さなくては……。
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