幸せの掴み方

それから菜々美は、時々、圭祐と電話で話をするようになり、
圭祐からも、月一でも良いので、菜々美と会わせてほしいと、
正式に申し入れがあり、

もちろん柚葉は、菜々美と圭祐が会う事を承諾し、前もって連絡を
くれるよう話、圭祐と菜々美の関係は、順調に親子関係を
築いているようだった。

そして菜々美の誕生日の朝、圭祐から誕生日プレゼントが届き、そこには
信二と加奈子からのプレゼントも一緒に届き、信二達からのプレゼントには
柚葉も、正直驚かされた。

菜々美から、時々加奈子達の話は聞いてはいたが、まさか誕生日プレゼント
まで送られてくるとは思いもしなかった・・・・

でも、この件は、圭祐が加奈子達との関係が上手くいっていることを
意味しており、柚葉としては、自分と結婚していた時は
出来なかった事を、圭祐の彼女は、易々と圭祐と加奈子の関係を
修復させてくれている・・・・・

正直、敗北感しか沸いてこなかった。

「どうした、柚、元気がないな！？」

今日は、菜々美の誕生日なので、湊が菜々美のプレゼントを持って
部屋を訪ねて来ている。

「ううん・・・なんでもない・・・ちょっと朝から、敗北感に
　浸ってしまっただけ・・・」

「何が、敗北感なんだ！？」

柚葉は、湊には隠し事が出来ない事を十分、理解しているので
圭祐と加奈子達の関係修復の件を話、

「私には、出来なかったことを、今の彼女は、やり遂げたんだな・・・
　ってね・・・ちょっと敗北感を味わったの・・・・」

「・・・・柚、お前は、お前でしっかり、元旦那を支えて来ていただろ
　それでいいんじゃないのか！？
　お前が、そんな顔をしていると、菜々美が楽しめないぞ！？
　折角の誕生日なのに・・・・・」

湊にそう言われ、柚葉は気を取り直し、笑顔で、

「そうだね。湊、ありがとう」