幸せの掴み方
湊は、妊婦の柚葉を気遣いながら、無理のないように優しく、そして
お互いの快楽を求めた・・・・・

「あん・・・・はぁっ・・・・みなと・・・・も・う・・・・はぁっ・・・」

「柚、一緒にイクぞ・・・・くっ・・・・・・はぁっ・・・・」

「あぁっ・・・・あぁ・・・・・・・」

二人で、同時に果てた。

まだお互い、息が整わなかったが、湊が

「柚、久しぶりの、お前の中は、気持ちいい・・・・はぁ・・はぁっ・・・」

「・・・はぁっ・・はぁっ・・・み・・な・・と・・・・」

湊は、ベットに横たわると、静かに話し始めた・・・

「柚葉、俺は・・・・フレデリックの弟子になっていた時 、
 戦地にいく事があったんだ・・・・・
 俺は、フレデリックと一緒に、戦地に行き、そこで子供達
 の写真を撮るようになった・・・・
 戦争で親を亡くした子供が沢山いた・・・・
 でも、彼らは、親、兄弟を亡くした悲しみを抱えながらも、必死で
 生きている彼らを見て、俺は、ショックだったよ・・・・
 あの時ほど、平和の大切さを、痛感したことはなかったな・・・・・
 そしてその戦地で俺は、怪我をしてしまって、かなり酷い怪我で、
 出血が多く、輸血しないと助からないって言われた・・・・・
 そして運悪く傷口から、黴菌が入ってしまって、高い熱が何日も続いて、
 医者からも見捨てられて、もう駄目だと誰もが希望を失くした時、
 フレデリックが、医者に掛け合って、何とか輸血をしてくれるように
 頼んだんだ・・・・
 そしたら、一緒に同行していた連中や、戦地で仲良くなった人達が
 輸血に協力してくれて・・・・そのお陰で生きていられるんだ・・・
 今、俺が生きていられるのは、皆のお陰なんだ・・・・」

「そんな事があったの・・・・・」

柚葉は、湊が柚葉と別れてからの話を、初めて聞いていた。

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