幸せの掴み方
柚葉が出産した翌日、湊は役所に、真之介の出生届を出しに役所に来ていた。

「久瀬さん・・・・こちらへ・・・」

役所の担当者に呼ばれ、真之介の出生届を出そうとしたら、

「申し訳ありませんが、生まれたお子さんは、離婚された前の旦那さんの
 戸籍に入ることになります・・・・」

湊は、役所の人に、一瞬、何を言われたのか、理解できなかった。

役所の人の話では、夫婦が離婚して、300日以内に生まれた子供は、
元旦那の戸籍に入ることになっているらしい・・・・

もしどうしても、自分の子供にしたいのなら、検査をして、生まれた子供が
自分の子供だと確認できなければならず、湊には、当然、それが出来ない。

真之介を圭祐の戸籍に入れるとなると、圭祐に会い、真之介の話をしなくては
ならず・・・・

湊は、一旦、役所を後にし、柚葉の元に向かった。




湊が柚葉の病室に行くと、

「湊、どうしたの?顔色が悪いわよ!?」

「・・・・柚・・・・・・・」

湊は、深刻な顔をして、

「 柚・・・・真之介は、圭祐さんの戸籍に入るらしい・・・・」

「えっ!!・・・・・そうなの!?」

「俺も、よく調べなかったのが落ち度だった・・・・
 離婚して300日以内に生まれた子供は、前の旦那の戸籍に
 入るそうなんだ・・・・・」

「・・・・・・・じゃー・・・・圭祐に話をしないとならないのね・・・・」

「うん・・・・今日、俺が連絡して、早急に会って来るよ・・・・」

「私から連絡しようか?」

「否、どのみち、一度話がしたかったから、俺が連絡して、会って来るよ」

湊は、柚葉に話を終えると、一旦、マンションへ帰った。
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