幸せの掴み方
圭祐 VS 湊
湊は、部屋に戻ると、菜々美の携帯を取り出し、圭祐に電話を掛けた。

「菜々美、どうした、こんな時間に?」

「・・・ご無沙汰しております。久瀬です・・・・」

「えっ・・・・・久瀬・・・さん・・・・」

圭祐は、驚きの余り、言葉が出なかった。

何故、菜々美の電話を、湊が使っているのか・・・不思議に思っていると、

「はい・・・お忙しいのを承知で、菜々美の電話から連絡させてもらってます。
 相楽さん、至急、会って話がしたいのですが、お時間、取って頂けない
 でしょうか?」


「・・・・・それは・・・・柚葉の事でしょうか?」

「はい、それもありますが、もっと大事な事が・・・・・」

圭祐は、湊の深刻な声に、

「解りました。これから丁度時間が取れますが、どうしたら良いでしょうか?」

「あまり、人の居ない所の方が良いので、もしよかったら、
 私のスタジオに来て頂けないでしょうか?」

「・・・・・解りました。伺いましょう。場所を教えてください。」

圭祐は、湊からスタジオの場所を聞き、その後、相場を呼び、
これから、外出する事を告げた。

圭祐は、湊が何を話したいのか見当がつかなかったが、

『柚葉と付き合っているのであれば、わざわざ挨拶などしなくても
良いのに・・・・・』

圭祐は、不安を胸に、湊の待っているスタジオに向かった。
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