幸せの掴み方
圭祐の謝罪
その後、湊のスタジオを後にした圭祐は、社に戻り、早速、相場に
午後から、出かけ、そのまま帰宅することを告げた。

とり急ぎ、今日は偶然にも仕事がひと段落しており、久しぶりに
ゆっくりできる日だった為、午後からは、柚葉の見舞いを兼ねて
病院へ行くことにした。


病院へ向かう途中、圭祐は、花屋に寄り、花を買い・・・・・

『花なんか、初めて買ったよな・・・・』

自分が、今までいかに柚葉に対して、甘え、何もしてこなかったのか
つくづく反省した。

そう思うと、次から次へ色んな事が、思い起こされる・・・・

結婚式も挙げてなかったし、旅行にだって連れて行ったやれなかった・・・

行事ごとだって、仕事を優先して、柚葉に何の楽しみも与えて来なかった。

自分が、いかに酷い恋人で、夫だったのか・・・・・今頃、反省しても
仕方ないが・・・眩まれて仕方なかった。

圭祐は、そんな事を思いながら、柚葉と真之介のいる病院を目指した。


**********************

コンコン ♪

「はい、どうぞ・・・」

柚葉は、この時間に、誰が訪ねて来たのか、不思議だった。

美代子と湊は、今朝顔を出している・・・・菜々美は、まだ幼稚園・・・・

柚葉は、不思議に思いながらも、返事をすると・・・・

「久しぶりだな・・・柚葉・・・・」

柚葉の目の前には、花を持った圭祐が立っていた。
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