幸せの掴み方
「でも、菜々美、日本を離れると、パパや美代ちゃんとも、離れるのよ。」

「・・・・・分かってる・・・・でも、お父さんと離れたくない!」

「菜々美・・・・・お友達や皆と離れても、良いの?」

「・・・・うん、寂しいけど・・・・でも、偶には会えるんでしょ?」

「そりゃー、もちろん。あなたの生まれた国ですもの・・・」

「だったら、お父さんと一緒に行こう!!」

「菜々美・・・・・」

柚葉は、菜々美の言葉に後押しされる様だった。

そして、自分の中に、『湊と離れたくない』と言う気持ちの強さがある
事を認め、柚葉は、

「そうだね。今までお父さんは、ママや菜々美を守ってくれたんだから
 これからは、ママたちがお父さんを支えなくちゃね!?」

「うん!!お父さんを支えよう!!」

柚葉は、一気に気持ちが晴れて行った。

そして、その夜、湊に

「湊、話があるんだけど!?」

「うん?どうした?」

「うん、あのね・・・・一緒に、フランスに行くから・・・・・

 菜々美が、一緒に行こうって・・・・・」

「・・・・・柚・・・・・本当に良いのか?」

柚葉は、頷きながら、湊に抱きついた。

「うん、だって、家族でしょ!! 私達!!」

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