幸せの掴み方
柚葉は、圭祐にフランス行きを報告したことで、少し、
気持ちが落ち着いて来た。

湊が渡仏するまで、後、1か月半、自分たちが渡仏するまで3か月・・・・

急遽決まったフランス行きに、今、柚葉と菜々美は、フランス語を習い始め、
悪戦苦闘している。

柚葉も、英会話なら何とか日常会話くらいなら何とかなったが、フランス語は、
本当に、未知の世界だった為、せめて買い物位できるように・・・・

「はぁ~、なんか、夢の中で、フランス語に追いかけられた・・・・」

「ハハハッ・・・・大げさな・・・・でも、そんなに無理しなくても、
 自然と覚えるようになるから・・・・あんまり頑張りすぎるな!?」

柚葉は、湊にそう言われても、菜々美の幼稚園の事もあるので、
せめて、単語だけでも何とか覚えたくて、必死だ!

毎日、フランス語に励んでいたある日、柚葉は、美代子の秘書から
電話が入った。

今日は、撮影が入っていた為、朝、美代子と一緒に会社に出勤し、
真之介を託児所に預けると、柚葉は撮影に向かった。

そして、撮影が終わり、会社に顔を出そうと支度をしていたら、
美代子の秘書をしている、斉藤 恵から電話が入った。

「斉藤さん、どうしましたか?」

「柚葉さん、社長が倒れました!

 今、救急車で病院へ向かっている最中です・・・・」

「えっ・・・・・母さんが・・・・・」

柚葉は、一瞬、眩暈がし、そのまましゃがみ込んでしまった。

「もしもし・・・柚葉さん、聞いてますか?」

「もしもし、中山です。どうされたんですか?」

柚葉の電話を、恭子が変わり、恵から話を聞いて、すぐに電話を切った。
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