幸せの掴み方
圭祐は、柚葉が退院した週末までに、ほぼ、引っ越しを終えたていた。

引っ越しといっても、洋服くらいしかなく、家財道具は、ベットとテレビ以外は
残し、従兄弟の神谷 龍雅が、このマンションに住むことになっていた。

龍雅は、圭祐の2つ下で、信二の妹の、神谷 雅子の息子で、圭祐自体は、
龍雅とは、大学時代に初めて、信二を介して知り合い、

龍雅は、圭祐が信二の会社に入社すると、圭祐の後を追うように
入社してきて、営業では、圭祐と良きライバルとして、またお互いの
良き理解者として、今に至っている。

性格的には、圭祐とは真逆を・・・・否、少し似ている部分もあるが、
龍雅は、確実に圭祐よりは、腹黒さを持っていて、

そんな圭祐と龍雅は、何故か馬が合い、それは仕事にも反映されていた。

圭祐に龍雅、それに相場の三人が、今、S・C商事を中心となって
会社を支えている。

龍雅は、未だに、相楽家と親族であることは、伏せており、その分、
龍雅は、自由に思う存分、仕事に励んでいた。

その龍雅が、今まで、学生時代から古いアパートに住んでいたのだが、
そのアパートが、取り壊しになる為、新しい部屋を捜していた。

龍雅は、実家も近いのだが、元々独立心旺盛な奴で、今までも、わざと
古いアパートに住んでいたのも、どうせ、寝るだけの部屋だし、それに
そのアパートを見て、引くような女とは、付き合わない!

と、言うだけあって、龍雅はなかなか女性に対してはシビアだ。

龍雅も圭祐同様、昔からイケメンと言われる類に入り、女に困った事は
一度もなく、圭祐と違うのは、圭祐よりの腹黒い事だろう・・・・

圭祐曰く「龍雅は、鬼畜だ!」と、思っているし、本人にもそう言っている。

そんな龍雅が、ついに、本気の女を見つけたようで、圭祐の引っ越しの
話を聞き、圭祐のマンションを借りることにしたのだ。

元々、マンションは、そのままにし、時期が来たら、柚葉達と
また戻る予定にしていたのだが、龍雅の希望で、ベットと、テレビ以外
は、そのまま残し、龍雅に部屋を貸すことにしたのだ。


 
< 263 / 310 >

この作品をシェア

pagetop