幸せの掴み方
元彼
あれは、柚葉が大学1年の時だった・・・・・・

「ねぇー、君、君!!」

柚葉は、自分が呼ばれているとは知らずに、歩き続けていると
急に、肩を掴まれた。

「きゃっ!!」

驚いて、肩を捕まえた人を見ると、見るからに近寄りたくない様な男
が立っており、それが、『久瀬 湊』との出会いだった。

「私ですか?」

「そう、君。さっきから呼んでいるのに、無視するんだもん」

「えっ、あっ、すみません。まさか、自分が呼ばれているなんて
 思いもしなかったので・・・・・」

「まぁーいいや。ねぇー、時間ある?」

「えっ、時間ですか?」

「うん、ちょっと、お願いがあるんだけど・・・」

「はぁ・・・・・・・あのう・・・・でも・・・・・」

ハッキリしない柚葉を、その男は、手を引っ張り、校内のある部屋に
連れ込んだ。

部屋に入った柚葉は、驚きのあまり、言葉が出なかった・・・

その部屋は、壁中に写真が貼ってあり、それを見た柚葉は、一枚一枚
丁寧に写真を見はじめ、そして、

「凄いですね!!この写真は、誰が撮った物なんですか?」

「うん、それは俺だよ!!」

柚葉を連れ込んだ目の前の男が、そう答えた。
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