目の前のアイツ
あたしと萩也で叫んだが、返ってきた言葉は、「俺らかんけーねーし」「巻き込まないでよ」「めんどーい」そんなのだった。

「俺らの友達は薄情なやつばっかだな。」

萩也はあたしに言った。

「ほんと。」

あたしは苦笑いで答えた。


「内容は後で伝える。号令!」

起立、礼、ありがとうございました。で朝の話が終わった。杉本先生が教室から出て行き、みんなが動き始めた。

あたしは次の授業の用意をしようと、もう一度座ったとき、
「なぁ、美羽~。居残りだってよ~。」

いつの間にか、机の前に萩也が立っていた。

「拓斗と百合香もなのかな?」

「違うぞ?」

拓斗が廊下の窓から顔を出して言った。

「うわっ、ビックリした。」

あたしの席は一番はしの廊下側だから、廊下の窓から顔を出せばけっこう話せる。

「え~、俺らだけか?」

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