目の前のアイツ
足がほぼついていないくらいに背伸びをし、再び手を伸ばす。


「ーーーー取れた!」

(グラッ)

箱を引っ張った弾みで、本がふってくる。

「あ…」

(ヤバい!)

あたしはとっさにしゃがみ、背中を丸めた。



背中があったかい



そう思った時、

(ドサッ)

すぐ近くで音がした。
それと同時に、背中のぬくもりが消えた。


「え…」

音がした方を向くと、




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