World Walker
全軍撤退する帝国の軍勢を見届けて、乙女率いる東方同盟もまた撤退する。

勝利の凱旋だ。

「傷は大丈夫なのか、りせ」

隣で馬を歩かせていた乙女が声をかける。

「平気よ。私は無敵だもん」

疲労の色は隠せないものの、不敵に笑ってみせるりせ。

愛らしくも凛々しい表情だ。

その表情を見つめながら。

「私も戦乙女の化身などと呼ばれて久しいが…」

りせの瞳の奥を覗き込むように、真意を探るように。

「りせ…お前こそ真の戦乙女なのではないか…?」

乙女は告げる。

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