World Walker
今度はどこへ行こうかしら。

どこへ行くのかしら。

そんな事を考えながら一歩踏み出したりせは。

「!」

パツパツのホットパンツ、その尻のポケットから聞こえる電子音に気付く。

今時の娘なら誰もが持っているであろうスマホ。

彼女は尻ポケットに窮屈そうに捻じ込まれていたスマホを引っ張り出す。

…ここは彼の地。

スマホどころか文明の利器さえ何一つ存在しないような、中世ヨーロッパ程度の文明レベルでしかない世界だ。

電話会社の中継基地さえ存在しないこの世界で、何故りせのスマホは着信するのか。

些か疑問を抱かなくもないが。

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