World Walker
『そうかあ、折角男の子と知り合えたのに…素敵な彼じゃなくて残念だったね』

笑うマー君。

「……」

りせは唇を尖らせる。

(わかってないわねマー君は…)

不満があからさまに顔に出ている。

『ん?どうかしたかい、りせ?』

「何でも!」

あまりにマー君が鈍いものだから、つい語気が強くなってしまう。

『あれれ、またかい?その訳も分からないうちに勝手に怒る癖、りせは直した方がいいなぁ』

「怒ってないわよっ!」

分かり易く怒声を上げるりせ。

『そうかなぁ…』

困惑したようなマー君の声。

だが声とは裏腹に電話向こうでほくそ笑んでいるとしたら、このマー君という男性も相当りせの扱いに慣れているという事だが。

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