World Walker
そして迷った。

(私アホだ…)

額に手を当て、己の考え無し具合に呆れる。

山なのである。

鬱蒼としているのである。

アスファルトで舗装された道路のように、道なりに進めば人のいる場所に繋がっているとは限らないのである。

山道なのか獣道なのか判別できない、頼りない泥の道を意気揚々と歩いていた彼女は、いつの間にやら作業道を外れて山中へと迷い込んでしまっていたらしい。

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