World Walker
思った以上の急勾配ながら、ところどころに吊り橋があるような、如何にも山奥といった風情に気が紛れる。

まだ午前中という事もあり、昨日よりは日差しも幾分弱かった。

時折頬を撫でる、ひんやりとした風を心地よく感じていると。

「あ」

坂の上に、建物を見つけた。

こぢんまりとした…スーパーだろうか。

コンビニ程度の大きさの店に、車なんてせいぜい5台くらいしか停められない大きさの駐車場。

その敷地の入り口辺りに、『ようこそ冬城町へ』と書かれた看板があった。

「ちょっと…寄ってみようかな…」

やっと見つけた人間の気配がありそうな場所。

踏み入れようとしたりせは。

「んっ!」

バチッ、と。

何かが弾けるような感覚を覚えた。

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