World Walker
真円を描く四尾。

その円が、次第に炎を纏っていく…。

その炎の威圧感に息を飲むりせ。

炎を纏った四尾。

しかしその炎は狐火とは違う。

温度とか、色とか、そういうものではない。

炎の『質』そのものが、ここまでに見せたものとは根本的に違っているようだった。

「よく聞け…これは『葬送の炎』というものじゃ…わらわのような天狐が扱える中でも最大級の神通力…色々と制約があるのであまり使いたくはなかったのじゃが…」

神秘的な輝きを宿す、白銀の四尾。

「我ら天狐は、千年以上の時を経て強い妖力を身につけた狐の姿…妖力は神格化して神通力となり、その神通力は、源である尾に蓄積され、凝縮される」

尾を包み込む葬送の炎が大きく燃え上がる!

「この炎は千年分の神通力を燃やしたもの。本来千年以上も生きられぬ筈の生命が神通力によって生き永らえてきた、その『生命の灯』じゃ」

グルリと真円を描く姫羅木の四尾。

その尾の先が全て、りせへと向けられる!

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