World Walker
戦いに水を差された事で文字通りの水入りとなる、りせと姫羅木の戦闘。

「のぅ、お前は本当に何者なのじゃ?」

何とか四本とも尻尾を失わずに済んだ事に安堵しつつ、姫羅木がりせの顔を見る。

「妖魅だの悪魔だのじゃない事は確かよ」

焼け焦げてボロボロになった両手を見ながら、りせは返答した。

「最初に会った時に言ったでしょ?私は他所の世界から旅の途中でここに来ただけ…この世界をどうこうしようなんて、これっぽっちも考えていないわよ」

「……」

神に等しい存在たる天狐をも上回る力を持ちながら、世界を左右する事に全く興味を示さないとは。

変わった存在もいたものだ。

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