World Walker
「しかし」

姫羅木の四尾がりせを指す。

「お前はわらわの稲荷寿司を無断で食うた。それは許されざる罪じゃ!断罪されて然るべき行いなのじゃ」

たかが稲荷寿司ひとつで随分と大仰な言い回しをするお稲荷様。

「この落とし前をどうつけるのじゃ?謝って済む問題ではないぞ?お前は天狐様の供物を食うてしまったのじゃからな!」

「そっ、それは…」

知らなかった事とはいえ、それを言われると弱い。

語気を弱めて困惑の表情を浮かべるりせ。

と。

「姫羅木さん、りせちゃんをそんなに虐めんといてあげてぇや」

姫羅木のご機嫌を窺うように千春が言う。

「俺がカップのきつねうどんを準備してあげるけぇさぁ…」

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