World Walker
かくして男子学生のゴチで、りせはチリドッグにありつく。

実に三日ぶりの食事だ。

スパイシーな香り、熱々のソーセージ、たっぷりとかかったチリソース。

全てがりせの食欲を刺激する。

小さく口を開けて頬張ると。

「…ん…まぁ…不味くはないわね…なかなか…イケる方じゃない?…あっ!」

素直に美味しいと言えばいいものを、生意気な感想を口にした天罰なのか、チリソースの辛さにりせはギュッと瞳を閉じる。

「ちょっと辛かったか?」

コーラのMサイズ…これも彼の奢り…を差し出す男子学生に。

「無駄口が多いのよ!さっさと貸しなさい!」

りせはカップをしゃくり取った。

< 17 / 456 >

この作品をシェア

pagetop