World Walker
縁も所縁もない、たまたま立ち寄った世界にいたスーパーの店員と天狐。

しかし、稲荷寿司がその縁を結んでくれた。

不思議な導きを感じつつ。

「そうね、機会があったらまた逢いましょ」

軽く手を振って、りせは冬城の町を後にする。

長い長い坂道を再び登っていくりせ。

その後ろ姿を見送りながら。

「終わってみれば、なかなかによい娘じゃったの」

姫羅木はズズズときつねうどんの出汁を啜った。

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